反省と後悔ばかりが残った第1回炊き出し、みんなの目の色が変わった第2回炊き出し、そして、洗い出した問題点を深夜までとことん話し合った第1回定例会を経て臨んだ今回の炊き出し。
今日こそはスムーズに始めてスムーズに終わらせよう。
数日前からの天気予報によると今日は大荒れの天気だそうだ。
そこで、第1回炊き出しの反省も踏まえ、今日は「雨の日バージョン」とすることを決定。
私たちの炊き出しは「自分たちでご飯を炊いておにぎりを握る」ということをこだわりとしているけれど、荒天などでそれができないこともある。
今日はそんな事態に対応する実践的なシミュレーションとなった。私たちにはまだまだ学ばなければならないことが山積している。
そんな訳でおにぎりの代わりに配るパンを購入することになったのだけれど、事務局長の手配で安いパンを購入。
早速試食してみると実にうまい。事務局長、グッジョブでした。
炊き出し会場にパンを持ち帰って袋詰めにする。重ねたときのクッションになるよう袋に少し空気を入れて輪ゴムで止めて…と、アイデアを出しながらいつものように和気あいあいと作業が進む。
手を動かしながらのおしゃべりにもまた意味がある。
被支援者の方々とのコミュニケーションも大切だが、スタッフ同士のコミュニケーションも、ひとさじのチームワークを醸成する上で必要なのだ。
パンの袋詰めはおにぎりを握るよりも費やす時間がずっと短い。かなり早めに作業を終了し、お勤めとオリエンテーションの後、定刻どおりに出発。
集合場所に着くと激しい雨が降り始める。気温もだいぶ下がってきた。
私たちよりも被支援者の方々のほうがよっぽど辛いだろう。これから厳しい季節が訪れることを肌で感じる。
参加者は少なめだったが、丁寧なオリエンテーションの後、二つの班に分かれて夜回りに出発。
役割分担も明確にして、各班の班長が前後左右に広がりすぎないよう注意しながら夜のアーケード街を進んでいく。
配食の途中、顔馴染みになった方と少し話をするなど、被支援者の方々ともだんだんとコミュニケーションが取れてきたようだ。
また、ペアでの行動が徹底できていたり、お互いの動きをフォローしたりと、ひとさじのメンバー同士でもコミュニケーションが活発になり、動きが格段にスムーズになった。
第3回にして、やっとチームワークが生まれてきたように思う。もちろん、改善すべき点も学ぶべきことも山積している。
これから厳しい季節になり辛く思うことも多いだろう。乗り越えなければならない問題も発生するだろう。
だけど、今日、私たちは「チームとしての」第一歩を踏み出すことができたのだ。その事には自信を持っても良かろう。
そんな事を考えながら解散場所へと歩いていく中、頬に当たる雨が少し痛い。よく見ると小粒ではあるけれど雹が混ざっている。
気温は6度、寒いわけだ。みんな体が冷え切っている。
会長の挨拶の後、お十念をお称えして解散。時計を見ると10時ぴったり、まさにオンタイム。
会長以下、メンバー全員が笑顔でいる。この笑顔が今日のスムーズさを物語っている。
みんな体は冷え切っているけれど、笑顔で終わることができて心は少しだけ温かくなった第3回炊き出しであった。