今回のひとさじの炊き出し&夜回りは、正月4日に行われました。
作業中、懐メロを口ずさむN上人、その曲名を見事に当てる初参加のS女史。
なごやかに進む作業を微笑ましく眺める会員E上人のお母上さま。
ニコニコと笑顔で一緒におにぎりをこさえてくださったお檀家さまのMさん。
その他、ボランティア実習でいらっしゃったS短期大学社会福祉専攻の学生さんたちなど、今回は多くの初参加の方とともに楽しくおにぎりをこさえました。
このところ、活動会員のみなさまが徐々に会場となるお寺に慣れてくださったおかげで、作業の段取りも少しずつ形になってきました。
そこで、今回からボランティアを縁故ではなく、広く募集することにしたのです。
とはいえ、あまり大々的に募集してもうまくご説明ができないかもしれない…と一方で悩んでいました。
そんなとき、偶然に知人の先生から「自分の教えている学生にボランティアの実習をさせてもらえないか?」とお声かけをいただき、ひとさじの会に学生さん達が参加してくださることになったのでした。
また、昨年末に知り合った「フードバンク活動」で有名なセカンドハーベストジャパンで活躍するS女史が、おにぎりに入れるかつお節や黒ゴマなどをもって応援に駆けつけてくださり、さらには、お墓参りに来てくださったお寺のお檀家さまのMさんまでご参加くださることに…。
結局、なごやかな雰囲気のなか作業は進み、調理終了予定時間を30分残す好タイムでおにぎりを作成することができ、みなさんと談笑しながらお茶をする“ゆとり”もうまれました。
そんな一日の活動を通じて、まことに多くの方に協力をしていただけるおかげでこの活動が成り立っているのだとあらためて実感させられました。
「無尽燈とは、たとえば一燈の百千燈を燃して、くらき者をみな明るくするに、明かりついに尽きざるがごとし」(『維摩経』菩薩品)
【和訳】尽きることのないともしび(無尽燈)とは、たとえば一つのともしびから百千のともしびが点火されても、その明るさを失わないようなともしびのことです。
これは「無尽燈」と呼ばれるお釈迦さまの説いた有名な譬えです。
この譬えのともしびのように、やさしい気持ちを一人が持つことによって多くの人に伝わり、伝わることでやさしい気持ちが輪となってますます広がっていったら、どんなに素敵なことでしょう。
一人ひとりの力は大きなものではないかもしれないけれど、今後もさらに多くの人と共にこの活動を進めていきたいと心から願った新年最初の炊き出しでした。合掌