私がひとさじの会とご縁をいただいたのは、ノートテイカ―として参加している大学の授業でした。
ひとさじの中心で働いているひとさじの会の事務局長さんを見たときに、私も一緒に活動したい!と強く思いました。
最初にみなさんにご一緒させていただいたのは、まだ寒い12月です。毎回、路上生活の方々と同じ目線で話すために腰を屈め、お話しを聞き、おにぎりをお配りします。
たくさんの方々がいるので、一人の方にそれほどたくさんの時間をとることは難しいです。
けれど、何度か活動に参加するうちに、その少しの時間がとても大事なのだと気づくようになりました。毎回同じ場所にいられる方、自分の昔の話をしてくださる方など、顔を覚えた方もいます。
この活動に参加していなかったら、自分の記憶には存在しなかったであろう方々。
ひとさじを通して縁を繋いだ方々。0と1の違いは大変大きいのだと感じます。
この活動をする上で、いつも思うことがあります。
それは、私もいつか、路上生活者側に立つかもしれないということです。私だけでなく、生きている全ての人に言えることかもしれません。
なのに、多くの人は自分とまったく縁のないような、まるで切り離して考えているかのように感じます。これはとても悲しいことだと思います。
人は生きていく中でたくさんの縁があります。
しかし、その縁がなにかしらの理由で切れてしまっても、どんなに社会から遠ざかってしまおうとも、人は、あきらめないで生き続けている限り、やり直すことが出来るのだと、この活動を通して実感するようになりました。
ひとさじを通し、自分が生活の中で見落としてしまいがちな、普段から世界中にある縁を、見つけられるようになりました。
生きていくうえで、すべての人々と自分がつながっている、関係のない人などいないんだということをずっと忘れずにいたいと思います。