大震災から2ヶ月余り。
5月17日~20日にかけて、(財)全国青少年教化協議会さまと合同で、
宮城県石巻市へうかがわせていただきました。
「春の宴・円・縁in石巻♪」
今回の活動テーマです。
“♪”なんて不謹慎な・・・と思われる方がいらっしゃるかもしれません。
QOL=Quality of Life=クオリティ・オブ・ライフ。
今後必要とされる、生活の質の向上。
避難所の方々は、昼はお家の片付けや避難所の掃除、夜は共同生活。
これまでの生活を思うと、毎日が“非日常”です。
でも、必死に“日常”を取り戻そうと努力されている、と伺いました。
そんななかで、少しでも心休まるとき、笑顔を浮かべるときがあったら…
活動テーマにはこんな想いが込められています。
5月18日(水)
正午過ぎ。
門脇中学校体育館へと向かいます。
1階と2階に別れて、約200人の方々が、避難所生活を送っているとのこと。
2階にお邪魔すると、体育館の舞台にはダンボールが山積みに。
そして、お一人あたりのスペースは、畳1枚~2枚ほどでしょうか。
みなさん、ダンボールの上に毛布を重ねて、体育館の固さと冷たさをしのいでいました。
仮眠をとって休まれている方、新聞を読まれている方。
この平穏を破るかのように、
映画の上映、チョコレート・フォンデュの準備をする私たち。
本当に、自分たちのしていることがみなさまの笑顔につながるのか。
かえって、ご迷惑をお掛けしているではないのか。
準備中、そんな思いが沸々とわいてきました。
14時過ぎ。
舞台での映画上映と同時に、チョコレート・フォンデュを始めます。
パイナップル、バナナ、キウイ、りんご。色とりどりの果物が並びます。
しかし、ここで大きなミスが…。
チョコレートチップを器械に流しても、なかなか溶けません。
説明書を見ると、「チョコレートを湯煎にかけておくとスムーズです」の表記が。
仕方なく、器械の上で地道にチョコレートを少しずつ溶かしていると、
「私もやりたい!」
避難所の5歳くらいの女の子が2、3人、お手伝いしにきてくれました。
やっぱり、こどもたちはすごい!
「泥遊びみたいで、面白いっ」
器械の上でチョコレートを練って溶かす。
大人には単純な作業も、こどもたちには楽しい遊びです。
キャッ、キャッ、と笑い声をあげながら、チョコレートを溶かし、
ついでに自分の手や顔、そして服にまで!チョコレートをつけています。
それを見ていた周りの大人の方も、つられて笑顔に。
チョコレート・フォンデュを取り囲んで、和やかな空気が流れます。
15時半過ぎ。
舞台ではお坊さんによる大道芸のパフォーマンスと、お姉さんたちのお歌が。
風船がものの見事に、ねずみやクマ、傘に変身していきます。
また、お姉さんたちのきれいな歌声に誘われて、
1階からも多くの方々が、お歌を聴きにきてくださいました。
16時半すぎ。
ご高齢の方々のなかには、ご遠慮されてか、
チョコレート・フォンデュを遠くから眺めているだけの方もいらっしゃいます。
そこで、こどもたちがお皿の上にトッピングしてくれたフルーツをもって、
お一人ずつに、お声かけをさせていただきました。
「今日食べれるなまものね、家族でこれだけなの。
だから、フルーツありがとうね」
ダンボールで作られた机の上には、
みかんが一つ、中央にちょこんと置かれていました。
伝わってきた、避難所生活の厳しさ。
自治体からは、毎日お弁当が支給されています。
だけれども、パンやお弁当ばかりで、
温かい食事はない、みずみずしい生野菜はない。
QOLの必要をまざまざと感じながら、
門脇中学校をお暇させていただきました。