私は今回初めてひとさじの会の活動に参加させていただきました。
この日は11月も終盤に入り、寒さがよりいっそう厳しいものとなっていて、私はちょっと薄着だったことを後悔しました。
まず、私はおにぎりをにぎるお手伝いをしました。
路上生活者の方と関わることが初めてだったこともあって、とても緊張していました。
しかしそれもつかの間、他のボランティアさんたちの笑い声と数年ぶりににぎったおにぎりの温かさに身体がほぐれました。
ちょっと大きめのおにぎりを約200個、それを保温用の袋に包み、布袋に入れ、出発の準備は万端かと思いました。
しかし、そこはお寺。出発前に本堂で法要をして、みんなでお念仏をお称えしました。自分に果たして出来るのだろうか。そんなことを心の中で思い出発しました。
夜も8時を回り、より寒さが肌に感じました。
煌々と電灯が光る商店街の中に路上生活者の方たちがいました。
段ボールに薄い毛布。あらためて彼らの生活の実態を知り、言葉に詰まりました。普段、どれだけ自分が見て見ぬそぶりをしてきたか思い知りました。
そして緊張しながら「こんばんは、ひとさじの会です」と声をかけ、おにぎりを渡しました。
寝ている方や声をあまり出さない方もいましたが、それでも「ありがとう」と言ってくれる方がいて、こみ上げるものがありました。
私は将来僧侶になるために大学で勉強をしています。
最近の仏教は葬式仏教だと揶揄されることがしばしばあります。しかし私はそんなことはないと思いました。
その答えをひとさじの会の活動に見た気がします。他者の苦しみや悲しみに寄り添うこと、これはけっして大学の講義だけでは身につきません。
私は、ひとさじの会の活動に参加出来たご縁に感謝し、これからの人生に生かしたいと思います。本当にありがとうございました。そして、これからも宜しくお願い致します。合掌