川沿いを歩いてみてまず思ったことは、前回、回らせていただいた商店街にいらした方とは、生活スタイルの全く異なる方々なんだということです。
商店街の時は、店が閉まってシャッターが降りた所を見計らって、就寝するために続々と集まって一時的にダンボールで寝床を作るという方が多かったのに対し、今回の川沿いエリアというのは段ボールやブルーシートを使って、ちょっとやそっとのことでは壊れない頑丈な、ちゃんとした「家」を持った方々の住むエリアでした。
昼間は空き缶を集めたりなどの仕事をして、夜になると自分の家に帰ってきて休む、という一定の生活スタイルを持っているのだそうです。
中からはラジオやテレビの音が聞こえてきたり、犬や猫などのペットを飼っている方がいたりと、私が勝手に想像していたよりは、快適な暮らしをされているようにも見えました。
が、ひとたび病気にかかったり、けがをしたりしてしまったら、途端に支援なしには生きられない状況に陥る状態であるのは間違いないようです。
ひとくちに「路上生活者」といっても様々な事情やスタイルがあり、実際にお話をし、どういう悩みを持って生活をなさっているのかという実際の様子を伺う機会を頂けたことは私にとって本当に貴重な場です。
私のお寺では、身元不明者としてお亡くなりになられた方、ご遺族がいらっしゃらない方のお骨を様々なご縁からお引き受けしているのですが、白い覆いの被さった桐箱を前に、この方たちは生前どういう生活を送っておられたのだろう、自分にも何かこうなる前にして差上げられる事があったのではないだろうか、と思うと本当にもどかしい思いに駆られます。
この活動に参加させていただいて、おにぎりや、温かいお茶や、薬を、おじさんちが受け取ってくださることで、私も少しだけ救われたような気がしました。
「おじさん、受け取ってくれてありがとう」
時間の許す限りこれからも参加させていただきたいと思っています。
ひとさじの会の皆様、これからもよろしくお願いいたします。