今月の最初の炊き出しに、今年の春から大阪の大学へ入学することが決まったペトナムの留学生が来てくれました。
熱心な仏教徒である彼は、自分の学びのためにかかわりたいといって、昨年の秋からずっと炊き出しに通ってくれました。
さらに、毎回、日本語学校で知り合った、モロッコや韓国、バングラデシュ、ラオス、カンボジア、中国等々、さまざまな国籍の友人も連れて来てくれました。
正直なところ、さまざまな国籍の大勢の人と一度にふれ合う経験のなかったわたしは、最初の時、ドキドキしながら様子を見ていました。
でも、炊き出し出発前のお念仏の時に、みんな一緒に手を合わせ、路上で亡くなった方たちのご回向をしたときに、みんなの声が重なって、一体感を強く感じたのです。
あぁ、国籍なんて関係ないんだなぁ。当たり前だけど、みんな一緒なんだなぁと、心底感じられたことは嬉しい経験でした。
そんな貴重な経験を得るご縁を作ってくれたベトナムの友人は、引越の直前にもかかわらず、炊き出しに参加してくれて、みんなにあいさつをしに来てくれたのです。
それだけでも、涙が出るほど嬉しかったのですが、帰り際に、「お世話になったお礼です。手作りです。受け取ってもらえたら嬉しいです」と、写真にあるボールペンをくださいました。
大きな身体からは想像できない、とても繊細なヒモの細工で、わたしの名前を入れてくれていました。
こういうご縁をいただけたことそのものに、大きな幸せを感じました。
親しい友が卒業して、新たな場所に移っていくのは、何度経験しても寂しいことですが、いただいているご縁を喜ぶことができるのも旅立ちの時なのでしょう。
素敵な思い出とプレゼントに心から感謝するとともに、彼の新たなスタートを遠くより応援いたします。
ギーくんへ
ボールペン、大切に使わせてもらいますね。
周囲の人への温かい心遣いを忘れることがないあなたのことです。きっと新しい環境でも、大勢の良いお友だちができることでしょう。
しばらくお会いできないのは寂しいですが、ギーくんが如来さまの御光に包まれて、良き学びの道を進まれますことをお祈り申し上げます。
合掌 南無阿弥陀佛