人生で初めて、炊き出しを行った。そして、初めて路上生活をする人々と話をした。この経験は、私にとってとても価値のあるものになった。
なぜ彼らは、住む場所を持たずに路上での生活を送るのだろうか。普段、街中で見かける路上で生活を送る人々を、私はどこか冷たい目で見ていた。
正直、配食で彼らに声をかけるのも少し怖かった。しかし、それは私の勝手な想像に過ぎないことに気が付くことができた。
もしかしたら、中には本当に気性の荒い人がいるのかもしれないが、おにぎりを手渡しして話をした彼らは、どこにでもいる普通の人だった。
時には、ちょっとした冗談で笑わせてくれるくらいに、本当にどこにでもいる普通の人だった。
心のなかで勝手に彼らのイメージを決めつけていた自分が恥ずかしくちっぽけに思えた。
私は何もわからないまま、世間のイメージを鵜呑みにして彼らを冷たい目で見ていたのだ。
私たち人には必ず人権がある。しかし、私たちは他者の人権に本当に目を向けることができているのか。自分が良ければそれで良いと思って過ごしているのではないかと感じた。
社会的に立場が弱い人は沢山いる。だが、そのことに気が付ける人はどれくらいいるだろうか。
気が付いても見て見ぬふりをする人がいる。私もきっと、その中のひとりだった。それは、今回の経験を通したから気が付くことができた。
心の中では「助けてあげたい」という気持ちがあるのに、行動に移すのはとても難しい。
だからこそ、今回、授業を通してひとさじの会に参加することができて本当に良かったと思っているの
と同時に、とても感謝している。自分にもできることがあり、それを実行する勇気がもてた。
今後、機会があれば積極的に参加していきたいと思った。きっかけと勇気が、人権を守る大切なキーワードではないかと私は感じた。