自分は2回目の活動の参加でした。
自分は田舎の育ちで自分の身の回りにホームレスの人はほとんどおらず、 大学に入学するため東京に来るまでは路上生活をしている人というのをほとんど見たことがありませんでした。
そのため東京の駅の周りにたくさんいる路上生活者の方々を見たとき、「汚い」「近づいたら何かされるのでは無いか」ということを思った記憶があります。
それと同時に、家を失い路上で生活しなければならないホームレスの人たちというのは、相当怠惰で不真面目な人生を送っていたのだろうと勝手な想像をしていました。
しかしひとさじの会の活動に参加することで、自分のその認識は偏見にすぎないということに気づきました。
大学の授業で吉水先生の講義をお聞きする機会があり、そこでひとさじの会の活動について知りました。それがひとさじの会の活動に参加するきっかけです。
炊き出しをしておにぎりなどをのホームレスのおじさん達に直接手渡しで配るということに、初めは自分の中では少し抵抗がありました。
しかし直接おじさん達におにぎりを渡すと、「ありがとう。いつも助かるよ」と笑顔で受け答えをしてくださるのです。
ある人は、自分が学生のお坊さんであるとわかると「勉強とか修行大変だろ?頑張ってね」と励ましてくださいました。
中でも一番自分が驚いたのは、上野公園での出来事です。
おじさん達におにぎりと一緒に薬や衣類を必要に応じて渡すことがあるのですが、あるおじさんが胃薬が欲しいとおっしゃったので、二回分の胃薬を渡しました。
するとそのおじさんは、「俺は一つでいいからほかの奴にも分けてやってくれ」とおっしゃいました。
他にも、おじさんにおにぎりを渡すと、「向こうにもいるから渡してやってくれ」と、他の路上生活をしている人に対して気遣いをする方がとても多いのです。
自分がもしおじさん達のように路上生活をしなければならないような経済状態に陥れば、自分のことで精一杯でとても他の人に対する気遣いなどできないのではないのかなと思います。
吉水先生のお話を聞き、実際に路上生活をするおじさん達と直接コミュニケーションをとると、ホームレスをしている人達は真面目でとても良い人が多いのだなと思います。
事情があり家を失ってしまったり、障害を抱えていたりと様々な事情を抱え路上生活を強いられているのだなと感じます。
自分は路上生活者に対して物的支援だけでなく、仏教者として精神的な支援もできるようになるよう頑張りたいと思います。