11月27日、マフラーが必要なくらいの寒さの中、2度目のひとさじの会に参加しました。
ひとさじの会については大学の講義で知りました。それまで、路上生活者というのは「素通りしてしまう存在」であったり、ともすれば「近寄りがたい」「何を言われるか恐い」という印象さえありました。
初めて参加した時にはとにかくドキドキしていきました。何かトラブルに巻き込まれるのではないか、怒られるのではないか。
そんな思いとは裏腹に、初めておにぎりを渡した路上生活者の方に言われた最初
の言葉は「ありがとう」でした。前回も今回も、もしかしたら一番多く言われた言葉が「ありがとう」「いつもありがとう」という言葉でした。
ひとさじの会の築き上げた信頼、そして自らがどれだけ無関心で彼らに目を向けずにいたのかを実感させられる言葉でした。
ひとさじの会における夜回り活動は夜8時から10時の間に行われ、おにぎりやカイロを配ります。配食用おにぎりの炊き出しは午後3時から始められます。
お手伝いの中にはベトナムや韓国、台湾からいらした方、福祉に携わっていた方、仏教に興味を持たれている方など様々な方が集まって、路上生活者のためにおにぎりを握ったり、荷物をまとめたりしています。
その中にはお子さんや学生、退職した方など老若男女も入り混じっています。もちろん副住職以外の僧侶の方含めて、皆さんで明るく活動をしていらっしゃいます。
これだけ様々な人々が、路上生活者のために何かできないかと、あるいは単純な興味だったとしても、素晴らしい共有の場であると感じました。
ですが疑問もありました。ひとさじの会の炊き出し・おにぎり配食は月2回の行事です。月2回の配食で、本当に彼ら彼女らのためになるのだろうかと。ある方に尋ねてみました。
返ってきた答えはこうです。まず何よりも大切なのは、「あなたのことを気にかけている人がここにいますよ」ということを伝えることなのだと。
ひとさじの会では路上生活者の方々を親愛の情をこめて「おじさん」と呼びます。何の力もない私ですが、「寄り添う」ことならできるかもしれない。
月2回だとしても、「いつもありがとう」と言って下さる「おじさん」との不思議な縁に感謝して、これからも「支縁」活動に参加していきたいと思っております。