この度、縁が整い、ひとさじの会に参加させていただいた。今から三年ほど前にこの活動を知り、その頃から興味を持ってはいた。しかしながら、中々参加する勇気が出なかったというのが本音である。
「慈善活動は、良い事だ。」と頭で分かってはいても、中々行動に移すことができなかったのである。また、行動できなかった理由の一つには、ホームレスの方について偏見があったことも事実だろう。ただ不衛生そうという理由だけで、嫌悪感を抱いていたのである。つくづく自分の人間性を疑ってしまう。
さて、そんな性悪でチキンな私がひとさじの会に参加できたのは、偏に親友のおかげである。ひとさじの会リピーターの彼に、一緒に行こうと誘われたことがきっかけだった。
今までは、ただの偏見でホームレスの方を不衛生だと決めつけていたが、その点に関しては当たっていた。いや、むしろ想像を絶するものだった。泥と隣合わせで横になる方や、壊れた寝袋で寝る方、濡れている布団を被る方や、悪臭を放つ方もいた。とても驚きだった。
しかし、お話をしてみるととても温かみのある方ばかりだった。私の持つ偏見では「おにぎりもう一個くれ」とか、「お前らはいいよな」とか言う人ばかりだと思っていた。そんな偏見を持っていた自分が情けなく、活動をしながら何度もこころが締め付けられる思いをした。
出発の前、吉水先生が「ホームレスのおじさんたちは、我々と何も変わらない人間です。」とおっしゃっていた。これを聞いた時は、この言葉の意味がよくわからなかった。しかし、実際に自身の目で見て、経験をした活動後は、その言葉の持つ重みが少しだけ理解できたような気がした。
せっかくひとさじの会と繋がったこの尊いご縁を無駄にしないよう、微力ながら今後も活動に参加させてもらいたい。
※本日は203回目のひとさじの会の活動でした。